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体験談

ドイツ  「本格的な授業がはじまりました」

★ スクールインターン  岩瀬直子さん ☆


いよいよ、自分の受け持ち授業が始まりました。まずは、私のホストティーチャー
であるFrau Stephanが担任をされている、1aという1年生のクラスです。すでに
このクラスでは1週間授業アシスタントをしていたのですが、50分授業を丸ごと
持つのは何といっても初めて。さて初授業はどうなったでしょうか?

《その1》名札を作ろう!
すでに1週間、一緒にいたとはいっても、名前を覚えるのは難しかったため、それ
ぞれの名札を作ることにしました。表にはドイツの国旗を描かせ、ドイツ語で名前
を書いてもらい、裏には日本の国旗を描いてもらい、私が各席を回ってカタカナで
名前を書いてあげることにしました。生徒たちは、カタカナで書かれた名前をお互
いに見せ合ったりして大騒ぎ。「すごーい!」「格好いい!!」「家に持って帰っ
てもいい?」と大好評でした。

《その2》挨拶を覚えよう!
「おはよう」「こんにちわ」の挨拶は、最初の日に覚えてもらっていたので「さよ
なら」と「ありがとう」を覚えてもらうことにしました。前夜準備したプリントを
使って説明したら「さよなら」は割とすんなりと覚えられたようです。さて「あり
がとう」ですが、ただそのまま覚えてもらうのはつまらないと思ったため、これま
た、朝早起きしてクラス全員分の鶴を折り、それをあげるときに「ありがとう」を
覚えさせようと考えました。折鶴を袋に入れて各席をまわり「どうぞ」といいなが
ら差し出すと"Danke!"(ありがとう)と返ってきます。そこですかさず「日本語で
"Danke!"は「ありがとう」といいます」と言い、繰り返し言わせて覚えさせました。
言葉を覚えてもらうときには、方針として必ず、1.全員で何回か繰り返す 2.
ひとりずつ言わせてみて、必ず褒める 3.二人一組にしてお互いに言わせる 
4.もう一度全員で復習する 5.次の授業の頭に必ず前日覚えたことを復習する
、を徹底することにしました。これはずいぶん効果があったので、次の学年を回る
ときにも同じ手法を使おうと思います。

《その3》折紙をやってみよう!
先週、2年生の合同授業で折紙をやった際、こちらの子供の不器用さがよく分かっ
たので、ごく簡単な折紙をやらせることにしました。ひとりづつに折紙を配るので
すが、日本の子供はおとなしく先生の配るものを受け取りますよね?ところが、こ
ちらの子供は欲しい色を主張します。また、必ずしも男の子が寒色系を選ぶわけで
はなく、赤が欲しいといったり、人気がないだろうと思われるような茶色や肌色を
貰いたがったりなど、日本の価値観でいると予想もつかないようなことが起こりま
す。また、折り方を教える場合、ドイツ語がとにかく分からず困りました。しょう
がないので「こうやって」「この角を合わせる」など、つたないドイツ語と実際に
見せることでなんとかしのぎました。

《その4》ボディパーツを覚えよう!
いつも机に座ってばかりではつまらないし、こちらの子供たちはとにかく元気。そ
こで、授業に振り付けと歌を取り入れることにしました。題して「体の部分を歌と
一緒に覚えよう」計画!日本のCMで"Head, shoulders, knees and toes"とセサ
ミのキャラクターと子供たちが歌うものがありますよね?あれと、交流団体の教材
にヒントを得て「ロンドン橋」のメロディに乗せて覚えさせることにしました。は
じめはドイツ語で何度か歌い、そのあと、日本語で同じことを歌わせます。その際、
各ボディパーツを触る動作をつけ、ドイツ語と日本語を対比させました。30代も
すでに半ばを迎えようとしている私が、子供たちと一緒に踊っている姿を想像して
みてください(笑)。また、屈伸運動は老体にかなりこたえました。ちなみに、子供
たちが一番覚えにくかったパーツは「あたま」。意外でしょう?次の日には歌いな
がら歩いている子がいたり、「1人でできるようになったよ!」と見せてくれる子
がいたり、「ここは日本語でなんていうんだっけ?」と聞いてくれる子がいたりで、
日本語に興味を持ってくれる子供がたくさん出てきて、嬉しくなりました。

《その5》昔話を聞かせよう!
こちらでは「朝ごはん休憩」なるものが2時間目と3時間目の間にあるのですが、
その間に子供たちが持ってきた本を先生が読むという、読み聞かせの時間がありま
す。この時間に、私も読み聞かせをやることになりました。あらかじめ、紙芝居を
いくつか用意していたのですが、今回は「かさじぞう」を選びました。ところが、
前日、教材を準備していると、アクシデントが!この話には、交流団体から配布さ
れた資料の中にドイツ語訳されたものがあったのですが、私の持っていった紙芝居
とは、なーんと筋が違っていた!のです。また、点検していると文章と絵がうまく
かみ合わないところがほとんど。仕方なく、資料をヒントに自分で訳すことになり
ました…。夜中に2時間以上かけて翻訳が完成したときには、目がちかちか。とこ
ろで、こちらには意外にも紙芝居というものがないらしく、子供たちは机にへばり
ついて鑑賞してくれ、先生にも「絵を見せながらお話がよめるなんていいアイデア
だわ!」と、好評。日本の文化もまだまだ捨てたものじゃありません。
お話の途中に「さて、これから何が起こると思う?」と問いかけると手がたくさん
あがり、終わったあとに「このお話、気に入った?」と聞くと「Ja!!!!!!!!!!!」と
いう声がたくさんあがり、いやはや苦労も報われたというものです。ドイツ語は…?
一応通じていたので、よしといたしましょう。

《その6》書道の時間は大パニック!
子供相手の授業はうまくいくことばかりではありません。1a最後の授業はビデオ
カメラが入ることになり、見栄えのよいものをというリクエストで、Frau Stephan
と相談し、書道をやることになりました。しかし、1年生の授業でこれをやるのは
ちょっと危険では?と言ったとおり、すごいことになりました…。次週から2週続
けて3年生を教えることになりますので、少し楽になるのではないかと期待してい
ます…。大体は、今回のようなプログラムで回ろうと思っています。ただし、もう
絶対に書道はやりません!!