私の心を成長させる、温かいお客様からの言葉
藤川麻衣子さん
アメリカ
バッファローのこの地で研修を始めて早3ヶ月が経ちました。スタートは今思い出すだけでもぞっとします。時差ボケも治らないまま到着翌日からフロントに立ち、2週目からは代表電話も取る、いや取らされるようになりました。客室全62室という小規模ホテルの為、フロントは通常のフロント業務に加え、電話での宿泊予約の受付、シャトルバスでのお客様の送迎、時にはお客様のリクエストに応じてお部屋のベッドメイク等、ほぼ全ての仕事をしなければなりません。それがかえって良かったのかもしれません。「出来なかったらしなくて良いよ」ではなくて「やってみろ、ちゃんとそばで助けてあげるから」という姿勢で容赦なく(?)しごかれ、1日に何十件もの電話を取る毎日が続きました。そのせいか、2ヶ月目からは少しずつ電話対応もまともに出来るようになりました。何よりスタッフのフォローが素晴らしいのです。対応途中で駄目だ!と思い電話を他のスタッフに代わってもらうと、お客さまに事情を手短に説明してまた受話器を私に戻すのです。直接カウンターに来たお客様に関しても、極力対応させられました。そんな時も、フォローを入れながらお客様に失礼のない様いつも後ろで見守っていてくれます。そんなスタッフは皆フレンドリーで、彼らの中に溶け込むのにそれほど時間はかかりませんでした。研修生としてではなく、同僚としてみてくれるのが嬉しいです。ホテルもアットホームでスタッフはフレンドリー。常連のお客様もこれまたフレンドリーです。必ず「ハローマイコ、また来たよ。今夜は夜の勤務なんだね。」といった言葉をかけてくれます。オーナーから「皆マイコのことが大好きだから、日本に帰らないでずっとここにいてよ」と言われたときは、冗談でも嬉しかったです。今ではフロントに2時間1人きりで残されることも度々です。お客様とのコミュニケーションもずいぶんと取れるようになり「とても親切でプロフェショナルなサービスだね」「絶対また来るからね」という言葉をもらえるようになりました。こういうお客様からの言葉がホテルで仕事をする上で活力になっているし、この仕事に魅了されて辞められない理由なのです。ホテルもそれで評価されるし、何よりも私の心が豊かになっていきます。そんな私の成長を仕事面でも生活面でも一番助けてくれているのが、スーパーバイザーのノームです。仕事では容赦なく叱られるが、信じられないほど面倒な手続きの車の購入等のため、何度もノームとその他彼に助けられた事は数え切れません。ホテルの客室住まいで不自由している私に、部屋が余っているから家に来ないかと、オーナーの許可を得て誘ってくれたのも彼でした。そしてノームとルームメイトのジムとの3人の生活が始まりましたが、なんとノームの好物は親子丼。今までいろいろ日本食を披露したのですが、とにかく親子丼が好きなのです。クリスマスイブ、家でのディナーも彼の強いリクエストで親子丼。クリスマスディナーに親子丼・・・?クリスマスにふさわしい料理を提案したのですが、どうしても親子丼!ということで仕事は日々大変ですが、楽しむ余裕も出てきて、私生活共々とても充実した毎日を送っています。笑顔は万国共通です。つらくて嫌なことがあっても笑顔でいることが私の生活の基本です。今日もまた、大好きな職場で大好きなスタッフと笑いながら働いています。