ただ今、海外福祉施設で研修中!
比嘉温子さん
アメリカ
「長崎の病院で5年間ほど看護婦をやっていました。最近は少しずつ変わってますが、日本の病院は医者が絶対の存在。看護婦は下に見られがちで・・・」そんな病院に疲れ、いつしか彼女は憧れだったアメリカ行きを考えるようになる。彼女が選んだのは老人施設での研修。これからを考えて、海外の介護福祉の現場を見ておきたかったからだ。「日本と比べると、施設そのものも違いますが、やはり入所している老人の意識が違いますね。まず、日本の老人は家族のことをほとんど話さない。思い出したくないんでしょうか、孤立してるって感じがします。こちらはひんぱんに家族の方が会いに来ますよ。ただ離れて暮らしてるってだけで、心のつながりはちゃんとあるんです」さらに、アメリカの老人はできるかぎり自分でやろうとする。逆に日本人は「お金を払ってるんだから、やってもらって当然」といった態度が見えるのだという。「とにかくここでは話し相手になるのが私の仕事。英語の勉強にもなりますしね。それもその日の老人の気分に合わせてね。向こうがしゃべりたいときは聞き役に回るし、ただそばにいて欲しいってときにはそっと寄り添ってあげる。なかなか難しいですけどね」「この前、おばあちゃんに言われたんです。『英語を上達させるんなら、早くボーイフレンドをつくることよ』って。私のことを友達って感じで見てくれるんですよね」比嘉さんはホストマザーのカレンさんが大好き。「自己主張の強い私は、ひょっとしたら日本って合わないのかも。カレンは、カウンセラーをやっているせいもあるけど、とてもほめるのが上手で私のやる気をどんどん引き出してくれるんです。クリスマスの飾りつけなんか2人で競争しながら、お互いの才能をほめあって(笑)」毎晩、カレンさんとワインを傾けながらいろんなことを話すという比嘉さん。「今、なんとかしてアメリカで暮らすために(笑)、米国看護婦の資格取得を考えている。とりあえず、30歳まではがんばってみようかな」