英語を話すのは「心の問題」
R・Aさん
イギリス
学校は、勉強も厳しい典型的な私立の寄宿学校で、町からバスで1時間という人里離れた場所にありました。スタッフには、スペイン、オーストラリア、アメリカなどから来ている人もいて最初ついていけなくて会話に入るのが嫌だったのですが、スペイン人を見ていると英語がそんなにできないのに雰囲気とジェスチャーでなんとかやっています。間違ってもいいのだと開き直って仲間に加わるようになったら、気兼ねせずに質問ができるようになりました。私はもともと映画や音楽、アートが大好きで、生の言葉で理解したくてイギリスに行ったので、特にラジオの音楽番組をずっと聴いていました。好きなミュージシャンの話など真剣に毎日聞いていると、耳が慣れてきて聞き取れるようになるんです。またバスで町に行って映画館に通ううちに受付の人とも顔馴染みになり、個展やイベントをやっている小さなローカルシアターに行くのも楽しくなりました。学校では北アイルランドや階級制度の話、外では映画や趣味のことを、とにかく人に話しかけたんです。その度胸がなくて「怖い」と思うときもありましたが、いったんペースをつかむと苦でなくなりなした。だから英語を話すのは「心の問題だ」と思いました。2ヶ月たった頃から、地下鉄が止まってもそれまでは理由がわからなくて聞き流していたのが、突然内容がわかるようになったのです。学校では私が日本のアートの授業をしたり、留学生のためのESLの授業にも参加。ラッキーだったのはそのESLの先生が、若い頃イタリアに留学して苦労した人で、週1回家で個人授業をしてくれたのです。その結果、帰国前にケンブリッジ英検のアドバンストに合格。TOEFLと違って、いきなり題を与えられて作文やフォーマルレターを書く問題や、複数の会話の中から国別のアクセントを問うリスニング問題など、とてもむずかしいものでした。